T様よりお電話で「先生、腱鞘炎になってしまったのですが、こういうのは良くなりますか?」と手首の痛みのご相談を受けました。

病院で腱鞘炎と診断されたのですが、実は「腱鞘炎」「四十肩五十肩」「ぎっくり腰」は、実はフェイクのことがとても多いのです。

フェイクというのは、ほどんど炎症がなく、状態もそこまで酷くないという意味です。ただそれでも痛みはとても強く感じることが多々あります。

お電話での判断には限界がありますが、腱鞘炎がクロでもシロでも改善方法はあるので、それをお伝えして来院されました。

<手首の痛みの原因分析>

・手首や手指のこわばりが強く、ぐーぱーがうまくできない

・使っているとどんどん手首の両端の痛みが増してくる

・最終的に手首や指が痛くて動かせなくなってくる

・慢性的に痛いが今回は今までよりも明らかに悪い

「手首や指が痛い=腱鞘炎」となりがちで、診断時は確かに炎症があったかもしれません。

「腱鞘(けんしょう)」とは、指や手首を動かす「腱」を守っている「鞘(さや)」のことです。鞘というのは刀をイメージすると分かりやすいです。武士が刀を鞘から出したり納めたりしますよね。その動作が多すぎて鞘や腱の組織が損傷を起こし「炎症」しているのが腱鞘炎です。

実際拝見すると、3つの点から「腱鞘炎ではなく過度な筋緊張である」と確信しました。

1. 炎症反応である「発赤・腫れ・熱感」がない

2. 炎症があると、動かさなくても痛いことも多いがそれがない

3. 自分で動かすと痛いけど、私が動かす分には痛みがゼロである

 

<手首の痛みをとる施術方法>

T様は、手首と前腕が過剰に緊張し、手指や手首の動かす際に強い痛みが生じている状態でした。

軽く押圧するだけでとても痛がる状態です。とはいえ、痛くても効いている痛さでしたので、加減しながら続けました。なぜならこの筋肉を緩めなければ改善しません。炎症がないので、冷やすのは本末転倒で何の解決にもなりません。

肘から先を全てじっくり細かく丁寧に、痛み方を伺いながら10分ほど施術していく中で、手首や指の動きが徐々に改善し、筋肉もかなり緩んだので「今動かしてみてどうですか?」と確認して頂きました。

「わ!全然痛くないです!」と驚かれておられました。

冒頭にもお話しましたが、フェイク腱鞘炎、フェイク五十肩、フェイクぎっくり腰などはよくお見かけいたします。

仮にT様が本当に腱鞘炎だったら・・・・施術すればするほど、その場で痛みが憎悪してきます。

T様は施術後、完全に痛みがゼロで楽になったので、違うわけですね。とはいえ、かなりの痛みと張りがあるので、1回で完全復活とはならないはずです。

T様はお仕事上、かなり左の手指や手首を酷使されますが、おそらくそのままお仕事続けていたら確実に腱鞘炎を悪化していたと思うほどの痛みでした。

お仕事に大きな影響がある箇所なので、回復され私も一安心です。継続してケアさせていただきますね。