初めて来院されたO様(30代男性)は右手指、手の平、肘辺りのしびれでお困りでした。3週間前から徐々にしびれがハッキリし、現在たまに物を落としてしまうこともあるそうです。

少し整理しますと、O様のご症状の「しびれ」は知覚神経、「物を落とす(握力低下)」は運動神経に影響が出ています。「しびれ」は当院でもよく伺うポピュラーな症状ですが「物を落とす」は少ないケースです。

数年前、整形外科で胸郭出口症候群と診断されたそうで、その時にあった「しびれ」はもっと弱くいつの間にか消えていたそうです。

胸郭出口症候群は、体幹(胸郭)から腕に走る神経・血管・リンパ管の流れが阻害されて起きる症状です。手が冷たくなる、感覚が弱くなる、蒼白、痛み、むくみなどが主な症状です。

腕の動きにより症状が出たり、じっとしていても24時間自覚症状があるケースなど色々です。原因の多くは首肩の深層筋の過緊張によるもので、当院でも大変多く扱う症例(過去の大幅改善実績100%)となります。

また、手のしびれと言うと、頚椎ヘルニアなど背骨で起きている神経根障害という可能性もありますが、検査や症状の出方から、おそらく今回も胸郭出口症候群とみて間違いありません。

手のしびれというと、他の病気の可能性を考え精密検査を受けられる方も少なくありません。しかし、原因が胸郭出口症候群の場合、あっさり解消することもよくあります。

<施術内容と改善経過>

とはいえ100%断定でできないので、原因がどちらであっても「悪化させずに改善する最善の施術」をご提案させて頂きました。

O様は納得されていましたが、整体やマッサージが初めてですので、慣れている方と違いより安心して施術を受けていただくための配慮が必要です。

肩こりや首の痛みがあり、張りも強い状態でしたので、肩~首~肩甲骨周辺の筋肉を丁寧に深層筋まで緩め、関節の可動域を正常に近づける施術を中心に行いました。一番ひどい首肩の付け根部分は、ほぐされる痛みと気持ちよさ両方あるようでした。1回目が終わったとき、しびれは半分以下になっていました。

この初回直後の改善度合いで、だいたいの改善必要期間が分かります。最初は悪い状態に戻りやすい点も考慮しつつ、一つの目安になるのです。

O様は改善と戻りを繰り返しつつ、数回でほぼ解消・安定し、握力も次第に回復してきて、安心されていました。

寝方のコツ、枕の上手な使い方、体操方法などをレクチャーしつつ、お仕事や育児の強い疲労のメンテナンスを希望されており、当院を継続ご利用頂いております。

しびれ症状は、痛みよりも緊急性を感じにくいため、半年、1年と様子見する方も結構おられます。長引くと悪影響もでる可能性もあるので、なるべく早めにお越しください。