当院が推奨する「ぎっくり腰になったら家でどうしたらいいか」です。

当院には、軽度から重度の様々なぎっくり腰の方が来院されますが、程度に合わせたベストの施術方法が改善するために欠かせません。患者様目線でいえば「1分でも早く楽になって、日常生活を取り戻したい」というのが、どなたも共通しています。

「家でどうしたらいいか?」というご質問をよく頂きますが、なるべく簡潔にお伝えします。

<温めるか冷やすか>

一番多いご質問ですね。「炎症がある=冷やす、炎症がない=温める」これが鉄則です。炎症は「熱感・腫れ・痛み・発赤」が特徴です。2つ該当していれば冷やしてOKです。ただ「痛み=炎症がある」ではないのでもう少し分析が必要です。

なぜなら、温冷は対処が真逆ですよね。本来炎症は患部が治癒していく過程で必要な反応です。ただそのままでは痛いので、血流悪くして痛みを一旦抑えるのが「冷やす」です。

一方筋肉の血流が悪くなり過緊張を起こし痛みとなる場合もよくあります。同じ痛みですが、筋緊張を緩め血流を改善すると痛みが治まります。つまり「温める」です。

<じっとしても痛い?動かすとき痛い?>

この痛みはどっち?という場合の見極め方の一つをお伝えします。

それは、寝転がっている姿勢でも座っていても、どんな姿勢でも強い痛みを感じる場合は炎症の可能性が高いです。特にズキズキ系の痛み。急性の激痛や疼痛も可能性が高いです。どんな姿勢でも痛い場合は、内臓関連痛のケースもあります。

一方「こうしていると楽」というように、痛みが気にならない姿勢がある場合は炎症の可能性が低いです。例えば「腰曲げると痛いけど、まっすぐしていると平気」「座っていると楽だけど立ち上がるときだけ痛い」などですね。

これらは炎症は起きていないケースが圧倒的に多いです。慢性痛はこちらです。

<炎症がある時ない時の対処法>

「炎症がある」と思ったら、湿布でも貼ってなるべく楽な姿勢で安静にする。炎症が治まると痛みは少し治まってきます。体に一番負担が少ないのは、保冷剤を手ぬぐいのようで包んで数分当てるのがベストです。

「炎症がない」と思ったら、強い痛みを感じない範囲でストレッチや体操、温熱シートのようなもので温めるといいでしょう。ズキッという痛みは極力避けて下さい。

以前、慢性腰痛の方で毎日湿布貼りっぱなしという方がいました。湿布は消炎鎮痛剤であり、経皮吸収し患部以外にも負担をかけるので、日常的に湿布は絶対に止めた方がいいと私は考えます。

<そもそもなぜ痛くなったかが大事>

ぎっくり腰は、炎症の有無にかかわらず、腰や背中の疲労蓄積が強く、何かのきっかけで発症することがほとんどです(例外もあります)。

また誤解されやすいのが、安静にしていたら自然に痛みが消えたとき「治った」と思ってしまいやすいことです。痛くなくなったのは嬉しいので仕方ないですが・・・。しかし「痛くなくなった=治った」ではありません。

「ぎっくり腰はくせになる」という答えもここにあります。ずっと痛いままの人はいなく、安静にしていれば痛みはいつかは自然に取れるものです。

しかし腰の張りや歪みなどがそのままですと、常に「ぎっくりスタンバイ状態(※前回のブログ参照)」なので、また何かのきっかけで痛くなるのです。

ぎっくり腰を何度もされる方は、椎間板への日々の負担が大きく「ヘルニア予備軍」ですので要注意です。すぐさま筋骨格のメンテナンスをされることをオススメいたします。

<当院の施術基本方針>

当院では、もう10年以上ぎっくり腰はほぼ冷やさずに結果を残しています。昔は「ぎっくり腰=冷やす」を疑いもせず行っていましたが、長年の経験から止めました。

なぜなら冷やす必要性をあまり感じなく、冷やさない方が早く良い結果が出ることが分かったためです。

その結果、日常生活に復帰されるのが早くなりました。ただ、施術の進め方は通常と大きく異なり、ぎっくり腰に特化した内容となります。

※今回のセルフ対処法は、あくまでも基本的なものです。ぎっくり腰や腰痛の原因は多岐に及びます。すべての症状や原因に対応できるものではございませんので、どうぞご了承ください。

当院では、おかげ様で「こんなに早く良くなるとは思わなかった」というお声もよく頂きます。お困りの方は気軽にご相談くださいね。