T様(70代女性)は、左腰~臀部~大腿部の急な強い痛みに襲われました。お話を伺うと、ご自宅での急な運動の後からだったそうです。

歩く時や姿勢を変える時、些細な動きでもズキッという強い痛みがあり、特に立ち上がるときが一番痛いそうです。立ち上がる時に、足の方まで痛みが広がるので怖さもあり「怖くて出かける気が起きない。予定をキャンセルした」とのこと。

ご高齢者が強い不調になってしまった時、気を付けるポイントがあります。

それは、痛みなどをきっかけに、運動や外出の習慣が休止しまうことです。その結果、筋肉や体の機能が一気に衰えてしまうことがあります。そのため、休止期間をできるだけ短くし、安定した日常を取り戻して頂くことが重要です。

<原因分析と施術方針>

腰から足にかけての強い痛みは、坐骨神経痛や大腿神経痛なども考えられますし、その要因としてヘルニアの可能性まで考えて、痛みの原因を早急に分析する必要があります。

痛み方や痛む部位を検査したところ、椎間板などからくる神経痛の可能性は低く、筋肉性の痛みの可能性が高まりました。筋肉が冷えた状態で急に強い負荷をかけてしまったと考えられます。ただ、決めつけてしまうのはまだ早く、様子を見ながらの施術です。

T様の反応などから、筋肉性のトリガーポイントの放散痛(梨状筋症候群)であることがハッキリしました。やり過ぎると悪化する場合があり、かといって控えめすぎると効果が全くでないので、そこはやはり経験による感覚がとても活きてきます。

腰や臀部のトリガーポイントの放散痛は、症状的には坐骨神経痛に似ていますが、痛みの範囲や部位などが実は少し違うので、そこである程度判断ができます。

<施術効果>

1回目の施術が終了。まだ痛みはしっかりあるも、少し動きやすくなったご様子です。一番痛かった来院された時を100%と考えると「2~3割良くなった」とのこと。やりたい施術やるべき施術は全部しっかりできたので、これでOKです。

3日後に来院された際に伺うと、当日夜は変わらずだったが、翌朝起きたら5割まで回復していたそうです。これも予測通りで施術方針が正しかった証です。2回目終了後、8割(残り2割の痛み)まで回復。ただT様の不安が強かったため、次回は3日後にしましたが、3回目来院された際はすっかり痛みはなくなっていました。

「おかげ様ですっかり良くなりました。こんなに早く良くなるものですか?1ヶ月くらいかかっちゃうのかな、どうしようと思っていたので・・・」と施術後、買い物にそのまま出かけられるほどお気持ちも回復されていました。

T様には、家での運動の際に気を付けるべきポイントもアドバイスさせていただきました。

色々な不調の方がご利用されています。年齢に限らず、強い痛みが起きると不安になる方が多いです。さらに原因がわからないと不安はさらに増します。

当院では原因をいち早く正確に分析し、どんな施術が必要かしっかりお伝えして施術するよう心掛けています。もちろん「結果」が伴うことが何より大事です。皆さまが安心してご利用頂けるよう、今後も努めて参りたいと思います。